単語帳意味ないと思うあなたに。英単語の覚え方のコツ【TOEIC985点取得者解説】

こんにちは。
英語コーチのきなこ、こと高瀬さなえです。

「単語帳が大嫌いで英語が嫌いになりました。」

時々、こんな相談を頂くこともあります。

「単語帳が使えないと、
 英語はできるようになりませんか?」

そんなことは決してありません。

本日は、単語帳だけに頼らない覚え方のコツをお伝えします。

筆者きなこの英語に関する実績

名古屋大学文学部言語学専攻
カナダ留学経験あり(1年半)
TOEIC985点取得
IELTS Overall7.0
Listening8.5 Reading 6.5 Writing 6.0 Speaking 6.5 ※Readingでは最高8.0を得点

目次

なぜ単語帳を使って英単語を覚えるのか

冒頭でもお話しましたが、単語は単語帳を使わなくても覚えられます。

例えば、こんな経験はありませんか?

入試で長文読解を解いた問題の単語は覚えていた。
繰り返し歌っていた洋楽の歌詞の中の単語なら覚えていた。

ですので、英単語を覚えるために、単語帳を買わないとダメ!ということはありません。

英単語の暗記に単語帳を使う理由とは

では、なぜ、よく単語帳が使われるのでしょうか?
それは、TOEICならTOEIC、日常会話用なら日常会話のシーンで
よく出る単語がまとめてあるため、
効率よく使用頻度が高い単語を学べるからです。

特に初学者は、まだ知っている単語数が少ないため、
英文で覚えたり、洋楽で覚えようとしようとしても、
「知らない単語が多すぎて、何が分からないか分からない」状態になります。

ですから、

使用頻度が高いものを先に単語帳を通して
知っておくと、
→文章で使う単語を覚えられる
→文章が読みやすくなる。
→文章を通じて英単語を覚えられるようになる。

こういう未来を手に入れることができます。

文章を通じて英単語を覚えるというのは、前後の文脈と関連付けて覚えることです。

ですから、ある程度、知っている英単語が多い状態でないと
前後の文脈も関連付けられません。

TOEIC600点前後(5000単語程度)の知識がまだない方は、
単語帳でまずは一対ずつ覚えていく方が効率が良いといえます。

それでは、単語帳を使う使わないにかかわらず、
英単語の覚え方のコツをお話していきます。

英単語の覚え方のコツ❶視覚!イメージで覚える

私はよく英語は五感を使って覚えよ!と言います。
複数の感覚を使って覚えると、長期記憶への移行が助けられます。

音と文字の単なる記号的なつながりは短期記憶にとどまりますが、
エピソードと結び付いたり、自分の感覚が動いたものは長期記憶へと移行します。

五感とは視・聴・嗅・味・触覚・・・

ここで触れるのはこのうち「視覚」ということです。
五感のうち、視覚83%、聴覚11%、嗅覚3.5%、触覚1.5%、味覚は1%ともよく言われます。

視覚の効果は絶大!生かしていきましょう。

基本語彙

中学校で習うような基本動詞前置詞特に意味が広いです。

例えば、ONをロングマン英英辞書で調べると、
前置詞の意味だけで30載っています。

Make、Haveなどの基本的な動詞。
日本語でも
笑顔をつくる、人をつくる、パンをつくる・・・

厳密にいうと、これらの「つくる」は同じではありません。
しかし、これらは核の「作る(生み出す)」という意味から派生して広がったものです。

つまり、基本動詞は「核」をつかみ拡張させていくことで効率よく覚えられます。
それには、画像を使った方法がオススメです。

手順は次の通り。

手順

❶核のイメージを覚える
❷それを派生させたイメージを関連づける

このブログでも載せているお寿司スライドのようなイメージで
捉えていくのが良いですね。

基本語彙以外

コアのイメージから派生させる方法は、基本単語以外でも有効です。
例えば、Moderate。
「節度のある」という意味の核から派生して、「価格が手頃な」という意味もあります。

抽象的で意味が掴みにくいものは、
Googleで画像検索したイメージで記憶に焼き付けるのも効果的です。

英単語の覚え方のコツ❷視覚以外の五感で覚える

視覚以外の五感で単語を覚える方法も有効です。

人はそれぞれ得意な認知スタイルがあるので、自分の強みを使って学習に生かしていくとよいですね。

詳しくはまたあとから説明しますが、このような方法があります。

様々な認知スタイル

◆語呂合わせ
◆綴りを書く
◆音を繰り返し聞く
◆音を繰り返し発音する

自分の得意な学習スタイルで進めていくのが効率が良いといえます。

英単語の覚え方のコツ❸語源を使って覚える

語源という言葉を聞いたことがありますか?

漢字は偏とつくりで構成されています。
例えば、「鰆」
読めなくても、見ただけで、「春が旬?なのかな?魚に関する言葉だな」と
言うことが推測つきます。

英語も似ています。
例えば、「attraction」

at 接頭辞
頭に付く接辞
~の方へ
tract 語根
意味の中核
引く
ion 接尾辞
尾に付く接辞
名詞化

語源のパーツはこの三種類です。
例外もありますが、英単語の大半は語源のパーツから成り立っているのです。

この語源を先に覚えるメリットは二つ。

語源を先に覚えるメリット

  1. 綴りと意味を関連づけられるので、記憶に定着しやすくなる
  2. 初めて見る単語でも推測がしやすくなる

ここでは、頻出の語源を紹介します。

接頭辞→接尾辞→語根の順に覚えてください。

接頭辞は方向を表すことが多いので、比較的覚えやすいです。

接尾辞は品詞の見分け方に直結するのでTOEICの点数に結び付きます。
抽象的なので少し覚えにくいですが、頑張りましょう。
TOEICのスコアアップを目指す際は、接頭辞より接尾辞を優先してください

語根は単語の意味を表すものなので、数も種類も多いです。
ですから、単語そのものを覚える手間とそんなに変わりがないかもしれません。

なので、語根単体では覚えられない方は
複数の単語でよく似た綴りが出てきた時、
「共通性」を探すという視点を持っておくということもよいでしょう。

例えば
「spectacular見せ物の」
「spectrumスペクトル」
=spectは視覚に関するもの?

といった感じです。

それでは、以下、よく使われる語源についてみていきましょう。

接頭辞

語根

接尾辞

接尾辞は品詞を見分けるにも役立ちます。
TOEICのPart5や6にも非常に役立つ知識ですから、少しずつでもよいので覚えていきましょう。

名詞の接尾辞

動詞の接尾辞

形容詞の接尾辞

副詞の接尾辞

副詞の語尾は-lyが主です。

英単語の覚え方のコツ➍復習を行う

「何度やっても忘れちゃうんです」

こういうお悩みを持っている人は非常に多いですが、安心してください。

単語は何度も忘れては何度も覚え直して、覚えるものです。

エビングハウスの忘却曲線について聞いたことがありますか?

ドイツの心理学者が1度完璧に覚えた「無意味な同じ音と綴りの関係」を、
また完璧に暗記しなおすまでにどれくらいの時間が必要になるのか実験をしました。

すると、覚えた内容のうち、次の割合を忘れることが分かりました。

20分後   42%を忘れる
1時間後  56%を忘れる
1日後      74%を忘れる
1週間後   77%を忘れる
1ヶ月後   79%を忘れる

※厳密に言うと、一度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに
必要な時間をどれくらい節約できたかを表す割合を実験では表しました。

こちらはUniversity of Waterlooの学生向けの学習のコツで使われていた図です。

黒の線は全く復習しなかった場合を表しています。
2日目には50%~80%の記憶が失われ、
1週間後もどんどん失われ、1か月後には2~3%しか残っていません。

しかし、オレンジの曲線を見てください。
1日後に10分、1週間後に5分、1か月後に2~4分復習すれば、記憶は残っていくのです。

ですから、英単語は忘れることを前提に、マメに復習をする習慣の方が大切になります。

英単語の覚え方のコツ❺単語帳以外で覚える

英単語の覚え方は単語帳だけではないということお話をしました。
例えば、洋書、洋楽など挙げました。

TOEIC600程度の文法と語彙が備わっている人であれば、
このような手段が有効です。
上で紹介した「五感を使う」という方法とも共通しますね。

1.英文を読んで覚える。

2.音読やシャドーイングして覚える

3.何度も聞いて覚える(洋楽、聞き流し教材)

4.英作文して覚える

何を隠そう、私は単語帳が大嫌いです、笑

なので、高校を卒業してからは単語帳を使ったことが
ほぼありません。
ですが、「キクタン」シリーズだけは愛用しています。

あれ、キクタンって「単語帳だよね」と思われた方もいるでしょう。

私はキクタンを「単語帳」と思ったことがありません。
シャドーイング用の教材だと認識して使ってます。

隙間時間でシャドーイングするのための教材。

こう思えば、単語帳で覚えている感覚がなく、楽しく続けられることができました。

学習の継続ができないと、数年悩んでいたプログラムの受講生さんも

「これなら寝ながらでもできるし、毎日でもできます!」

と、継続記録を更新し

TOEICでも目標点数を達成するまでに。

さて、私はどうして、音を聞きながら覚えるのが向いていたのか?

実はある認知特性テストから判明したのですが、
私は「聴覚に認知的な優位性があった」のです。

これは当然ですが、個々によって異なります。
視覚優位なのか、聴覚優位なのか、それとも
言語優位なのか・・・

一つのヒントに、記憶の手がかりを何にして
覚えていることが多いか?

例えば、学生時代、英語に限らず、歴史上の人物を
覚えるとき、資料集の写真だったのか
それとも、ひたすら唱えた年号だったのか、
それとも語呂合わせだったのか?

何が得意だったか思い出して、
あなたの得意分野を生かして、英語学習に取り組んでくださいね。

きなこの英語コーチングでは
こういった得意分野を判定する診断テストも行った上で
カスタマイズしたサポートをしています。

「個別のサポートが必要だな」
こう感じた方は、ぜひ、お問い合わせくださいね。

単語の覚え方のまとめ

単語の覚え方のまとめ

筆者きなこの英語に関する実績

❶イメージで覚える
語感のうち、一番強い視覚を使う。
特に基本語彙は有効。

❷五感で覚える
書く、声を出す、聞く、など得意な手段を使う。

❸語源で覚える
語源のみで覚えられない場合は、
似たような綴りを見つけて
推測する癖をつけるとよい

❸復習を行う
❹単語帳以外で覚える

色々ご紹介しましたが、一番大切なのは諦めないこと。
繰り返し触れることです。
何度も何度も繰り返して、長期記憶に留めていきましょう!

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