私も巷で大流行している『ちいかわ 人魚の島のひみつ』を観てきました。
ネタバレはしないのでご安心を!
ツイッタラーの私の視点でヒット要因の三つを語りたいと思います。
まず一つ目は、「余白」
キャラクター全員が完全な言葉を話すわけではない。
だからこそ、
「今、こう思ったのかな?」
「いや、私はこう感じた」
と、観る側が何通りにも解釈できる。
一人ひとりが自分の視点でストーリーを楽しめるし、人にも話したくなる。
この「語りたくなる余白」って、口コミが口コミを呼ぶ大きな理由の一つなんじゃないかなと思った。
二つ目は、「ギャップ」
見た目は子ども向け全開のかわいいキャラクターなのに、ストーリーにはシリアスで、哲学的に考えさせられる部分もある。
人はとかく、想像を裏切られることに弱い(笑)。
ギャップって、どんな場面でも人の心をくすぐるものなんだなと思う。
そして三つ目。
これは完全に私の勝手な解釈だけど、「不器用さ」。
私はここが、一部の大人にものすごく刺さる設計なんじゃないかなと思っている。
ちいかわのキャラクターって、どれも完璧じゃない。
完全な言葉を話せないキャラクターもいるし、それぞれの特徴がものすごくはっきりしている。
というか、みんなどこか偏っている(笑)。
何かにつけてお酒を楽しんでいる、くりまんじゅう。
ワガママ全開だけど愛らしい、モモンガ。
私は、子ども向けキャラクターの「ネガティブ設定」に関しては、すみッコぐらしもかなり秀逸だと思っていて、
寒がりのしろくま。
自分に自信がないねこ。
みたいに、欠点や弱さが、かえって愛おしい。
今回のちいかわにも、私は同じものを感じた。
だって、人って元来、偏っている生き物だ。
何もかも満遍なく、バランスよくこなせる人ばかりじゃない。 優秀に見える人だって、歳を重ねれば、人生のどこかにひずみを感じるような出来事を経験する。
「26歳までに学生時代の恋人と結婚して、32歳くらいまでに子どもが二人できて、そして一戸建てを買って、定年まで一つの会社に勤める」
みたいな、かつての「平凡な人生の理想郷」なんて、 とっくの昔に崩壊している。
「何もかも平均的に、バランスよくできている」
そんな絵に描いたような「理想の平凡」を具現化している友人なんて、 私の周りには一人もいない(笑)。
45にもなれば、みんな挫折の一つや二つある。 優秀な人だって、それは同じ。
私は名古屋大学を卒業しているのだけど、 いわゆる旧帝大レベルの人って、 世間からは「人生も平均点以上」みたいに思われがちだ。
でも、そんなことは一切ない。
みんな、それぞれの地獄を胸に抱いて、 けど平然とすました顔して生きている。 それが大人ってやつなんだと思う。
当然、私も含めて。
だから、ちいかわを観ながら、私たちはどこか、キャラクターの「偏り」の中に、自分自身を見つけているんじゃないかと思った。
そして、私はこんなことに気づいた。
私が長い間、生きづらかった理由って、自分をずっと「ちいかわ」だと思って生きていたからなんじゃないか。
でも今思うと、たぶん私は、ずっとずっと「うさぎ」だった。
どういうことか。
私は昔から、勉強だけは得意だった。 だから、「自分はコツコツ努力できる人間なんだ」と勘違いした。
でも、たぶん違った。
勉強って、努力した分だけ比較的早く結果が出る。 それが楽しくて、夢中になっていただけだった。
毎朝決まった時間に起きる。 計画を立てる。 毎日少しずつやる。 決めたことを淡々と続ける。
いわゆる「勉強のできる人」がやっていそうなことが、得意だったわけじゃない。
私が得意だったのは、情熱を傾けられるものを見つけたら、一気に集中して結果を出すこと。
だけど私は、自分を 真面目で、コツコツ努力する、ちょっと気弱な「ちいかわ」 みたいな人間だと思っていた。
だから、「ちいかわ的な攻略法」で人生を攻略しようとしていた。
そして、だからこそ、大学を卒業して公務員になった。
でも、「何か違うぞ?」
という違和感が消えない。
26歳で公務員を辞めてカナダへ飛び出した頃から、その気づきは加速した。
あれ?
私、コツコツ真面目じゃなくない?
むしろ、何かの拍子に突然スイッチが入る。
「これやりたい!」
と思ったら、ものすごい勢いで走り始める。
カナダ留学もそんな感じだった。 公務員辞めて、次の行く先、当てなんかない。
でも、英語を極めて、英語の専門家として仕事するんだって、決めてしまったから衝動を押さえられなかった。
何かが私の琴線に触れると、私はもう止まってなんかいられない。
次の瞬間に飛び出したくなるのだ。
周りが「ちょっと待って」と言っていても、もう走っている。 そして時々、自分でも、「なんで今、それ始めた?」みたいなことをする(笑)。
でも、スイッチが入ったときの集中力はものすごい。
一気に走って、結果を出す。
たぶん私、思っていた以上にずっとずっと「うさぎ」だったのだ。
でも私は随分長いこと、「ちいかわ的」に生きようとしていた。 だから表面的には、それっぽいこともできるようになった。
でも、続かない。
「なんで私は、こんな簡単なことも続けられないんだろう」 と自分を責める。
公務員の仕事なんて、まさにそうで、 私は3回公務員試験に合格したのに、3回辞めている(笑)。
公務員の仕事は、真面目にコツコツできる私に向いてるのに、 どうして途中で投げ出してしまうだろう、と泣いた。
だから随分長い間、私は自分のことが大嫌いだった。
私は、私を「ちいかわ」だと思っていたので、「ちいかわ」を全うできない自分が、情けなかった。
だけど40代になって、 「私はうさぎのような、ちょっと狂気を抱えた人間なんだ」 と分かってから、すごく生きやすくなった。
スイッチが入ったら、その勢いを利用する。
やりたいと思ったら、とりあえずやってみる。
一人で続かなければ、人を巻き込む。
自分が動ける環境を、先に作ってしまう。
つまり、「自分を変える」のではなく、「自分の攻略法」を考えるようになった。
これ、英語を教える仕事をしていても、ものすごく感じる。
英語が伸びる人のやり方って、実はみんな同じじゃない。
毎朝30分、一人で淡々と勉強できる人もいる。
一人だと全然やらないのに、誰かと約束した瞬間に動ける人もいる。
毎日少しずつやるより、「今日やりたい!」という日に一気にやった方が続く人もいる。
人前で英語を話す予定が入った瞬間、ものすごい勢いで勉強する人だっている。
だから、「一番正しい勉強法は何?」を探し続けるより、 「私は、どうしたら動ける人なんだろう?」 を知ることって、実はものすごく大切なんじゃないかと思っている。
そして、もう一つ。
英会話を教えていて感じることがある。
英語が話せないと、私たちはすぐに、
「もっと単語を覚えなきゃ」
「もっと文法を勉強しなきゃ」
「もっとちゃんと話せるようになってから話そう」
と思ってしまう。
でも、本当にそれだけなんだろうか。
ちいかわには、ちいかわの戦い方がある。
ハチワレには、ハチワレの戦い方がある。
うさぎには、うさぎの戦い方がある。
だったら英語だって、 今の自分が持っているもので、まず戦ってみてもいい。
知っている単語で言ってみる。 うまく言えなかったら、 「あ、これじゃ伝わらないんだ」 と知る。
別の言い方を知る。
もう一度言ってみる。
そして、「あ、今度は言えた!」を増やしていく。
英語を「知っている」だけではなく、自分の英語として使ってみる。 その経験が、「話せる」に変わっていくんじゃないかと思う。
だから最近、私はずっと作りたかったものを作り始めた。 英語を勉強するだけの場所ではなく、知っている英語を、実際に使ってみる場所。
完璧になるまで待つんじゃなくて、
まず、やってみる。 間違える。 教えてもらう。 もう一度やる。
そして、「分かった!」を「使えた!」に変えていく。
そんな場所。 名前は、「きなこ式英会話実践ラボ」とつけました。 LINEオープンチャットを使ったコミュニティ。 実は今、プレオープンして、すでに300名近くが待機しています。
昔の私みたいに、
「どうして私は、みんなみたいにできないんだろう」
と思っている人に、伝えたい。
もしかしたら、あなたがダメなんじゃなくて、 自分のキャラクターとは違う攻略法で、ずっと戦おうとしているだけかもしれない。
かつての私みたいに。
ちいかわになれない自分を、責めなくていい。 自分がうさぎなら、うさぎの走り方をすればいい。
自分の攻略法が分かると、人生って、ちょっと生きやすくなる。
そして、英語だって、きっと同じです。 自分の中の、不器用をもっと愛していきましょう。
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